当館は、明治年間に開設された「宝物陳列所」を前身とし昭和55年(1980)4月に開館しました。長谷寺に伝世する什宝を収蔵・保管、そして展示公開することを目的として建てられた当館は、1階部分の第1展示室(昭和61年に増築)に梵鐘や縣仏、板碑などの金石資料、2階の第2展示室には仏像彫刻をはじめ、仏教美術にかかわる美術工芸品や古文書、考古資料といった各種文化財が常設展示されています。また、毎年秋には「長谷寺縁起絵巻(神奈川県指定文化財)」の特別公開を行うなど、鎌倉における寺院系博物館(テンプル・ミュージアム)として、鎌倉の歴史を伝える一翼を担っております。
開館時間 9:00〜16:00
休 館 日 毎週火曜日(ただし、火曜日が祝祭日の場合開館※翌日の振替休館はありません)
      ※臨時休館日については年間スケジュール表をご覧いただくか、お問合せ下さい。
入 館 料 大人(中学生以上)200円/小人(小学生)100円 ※小学生未満無料
お問合せ 電話0467−22−6300 FAX0467−22−6303
      ※学芸員による施設案内・宝物解説を承ります
(但し、希望日より1週間以前の申し込みをお願いいたします。)
第1展示室は梵鐘や板碑といった大型の金石資料が常設展示されるため、その重量に耐えられるよう設計がなされております。また、展示資料のほぼすべてが重要文化財を含む指定文化財となっております。
〔展示解説〕
 第1展示室(中世の長谷寺/鎌倉〜南北朝時代)
鎌倉長谷寺は、奈良時代にあたる天平8年(736)に建立された、鎌倉でも有数の古刹と伝えられます。しかし、当山に伝世する什宝は最も古いものでも、文永元年(1264)の銘を持つ梵鐘のみとなり、またそれ以外にも鎌倉時代の銘を持つ資料が多数伝存することから、同時代が鎌倉長谷寺の創建、隆盛の画期とも考えられます。

梵鐘(ぼんしょう/重要文化財) 
「長谷寺」の銘を持つ当山の什宝のなかで、最も古い資料であります。銘文に見える文永元年(1264)の鋳造年から、鎌倉でも常楽寺、建長寺に次ぎ3番目に古い梵鐘であることがわかります。
総高167センチ 口径89センチ 重量723キロ


板碑(いたび/鎌倉市指定文化財)
当山には大小様々な板碑が伝存しており、なかでも徳治3年(1308)の銘を持つ板碑は山内、ひいては鎌倉市内でも最大級のものとなります。昭和初期の観音堂再建の際、発掘調査の過程で本尊足元の基壇部分から出土されたものです。総高264センチ

鰐口(わにぐち/神奈川県指定文化財)
銅や鉄で鋳造する梵音具(打楽器)で金鼓ともいい、社寺の堂前に吊され、参拝者は一緒に下がる紐で打ち鳴らして参詣しました。当山の鰐口も過去には観音堂の入口に高く掲げられていたものと思われます。直径68・2センチ

鰐口

懸仏(かけぼとけ/重要文化財)
当山には合計6面の懸仏が伝世しておりましたが、そのうち2面は奈良国立博物館へ、うち1面は市内鎌倉国宝館へ寄託し、現在は3面の懸仏が当館に収蔵されております。いずれも直径70センチを越える大型のもので、おおよそ鎌倉時代末期から室町時代に造られたものと確認されております。
     
第2展示室には仏像彫刻・法具などの美術工芸品・古文書・考古資料が常設展示されています。なお、年間2〜3回の企画展・特別公開を開催する企画展示室にもなっており、毎秋には「長谷寺縁起絵巻」(神奈川県指定文化財)の公開を予定しております。
〔展示解説〕
 第2展示室(中世の長谷寺/室町〜戦国時代)
鎌倉幕府の滅亡と、南北朝の争乱を経て徐々に衰退の道をたどった鎌倉において、長谷寺は足利将軍家の帰依により諸堂諸仏が調えられたといいます。その象徴として伝え残されたのが、観音菩薩の変化身である「観音三十三応現身像」でした。また、戦国時代に至ると、東国を統治した後北条氏や豊臣秀吉の庇護により、以前とかわることなくその法灯は守られたのです。
 

開山徳道上人坐像(かいさんとくどうしょうにんざぞう)
開山像として当山に伝世する肖像彫刻で、実際の上人の容姿を表すか定かではありませんが、その写実的な面貌と裳先や両袖を垂下させた着衣の表現は典型的な頂相彫刻といえ、長谷寺における禅文化展開の一側面を窺い知ることができます。室町時代前期の制作と推定されます。
像高93.0 cm 寄木造 玉眼 彩色

観音三十三応現身立像(かんのんさんじゅうさんおうげんしんりゅうぞう/鎌倉市指定文化財)
観音菩薩の功徳を説く『観音経』によれば、観音菩薩はその身を三十三に変じて人々を済度するといいます。その変化する姿を称して「応現身(おうげんしん)」あるいは「応化身(おうげしん)」と呼びます。当山に伝わる群像は、室町前〜中期頃の貴重な作例であります。
 
長谷寺縁起絵巻(はせでらえんぎえまき)※秋季特別公開
室町時代の弘治3年(1557)に制作されたことが知られ、表題から当山の由緒を伝える絵巻物を想像させるものの、その内容は大和(奈良県)長谷寺の開創と本尊である十一面観音菩薩像の造立譚を描くものでした。国内で数例が確認されるうち、制作年の判明する唯一の資料でもあります全二巻(上・中巻のみ※下巻を欠く)

その他
書蹟「長谷寺扁額」「祈祷扁額」/古文書「北条氏康印判状」「豊臣秀吉禁制」/美術工芸「舎利塔」「経筒」また、江戸時代の版木、宋銭など考古資料が多数収蔵されております。


鎌倉文化研究会
 昭和34年(1959)、沢寿郎氏(元鎌倉市立図書館館長 故人)を初代会長に迎え、郷土史研究団体として組織された当会は、以来、事務局を鎌倉長谷寺に構え、機関誌『鎌倉』を刊行してまいりました。 平成17年(2005)には100号の刊行を数え、現在も年2回の定期刊行を継続しております。
 定期購読、またはバックナンバーの購入をご希望の方は、お手数ではございますが、下記連絡先までお問合せください。なお、弊誌へのご寄稿も随時承っております(投稿規程参照)。

○連絡先
 【住所】 〒248−0016
      神奈川県鎌倉市長谷3−11−2 長谷寺宝物館内
 【電話】 0467−22−6300/FAX 0467−22−6303
 【名称】 鎌倉文化研究会事務局(担当 三浦)

○定期購読・バックナンバー購入申込用紙※現在制作中

○『鎌倉』投稿規程※現在制作中