当館は、明治年間に開設された「宝物陳列所」を前身とし昭和55年(1980)4月に開館しました。その名が示す通り、長谷寺にこれまで伝世された什宝を収蔵・保管、そして展示公開することを目的として建てられた当館は、1階部分の第1展示室(昭和61年に増築)に梵鐘や板碑などの金石資料を、2階の第2展示室には仏像彫刻をはじめ、懸仏など仏教美術にかかわる美術工芸品、古文書ならびに当山出土の考古資料といった各種文化財が常設展示されています。また昭和60年(1985)には、仏教書および歴史書を中心とした参考図書室「潮音文庫」が併設され(現在は一般公開中止)、鎌倉における寺院系博物館(テンプル・ミュージアム)として、鎌倉の歴史を伝える一翼を担っております。
梵鐘や板碑といった大型の金石資料を常設展示するため、
その重量に耐えられるよう設計がなされております。


■梵鐘

「長谷寺」の銘を持つ当山の什宝のなかで、
最も古い資料であります。銘文に見える文永元年(1264)の鋳造年から、鎌倉でも常楽寺、建長寺に次ぎ3番目に古い梵鐘であることがわかります。
〔重要文化財〕
総高167センチ 口径89センチ 重量723キロ板碑

■板碑
当山には大小様々な板碑が伝存しており、なかでも徳治3年(1308)の銘を持つ板碑は山内でも最大のものとなります。昭和初期の観音堂再建の際、発掘調査の過程で、本尊足元の基壇部分から出土したものです。
総高264センチ

仏像彫刻・法具などの美術工芸品をはじめ古文書・考古資料が常設展示されています。
なお、年間2〜3回の特別展示を企画しており、
毎秋には「長谷寺縁起絵巻」(神奈川県指定文化財)の一般公開を予定。
■懸仏
当山には合計6面の懸仏が伝世しておりましたが、そのうち2面は奈良国立博物館へ、うち1面は市内鎌倉国宝館へ寄託し、現在は3面の懸仏が当館に収蔵されております。いずれも直径70センチを越える大型のもので、全て鎌倉時代末期に造られたものと確認されております。
〔重要文化財〕

■観音三十三応現身
三十三応現身立像観音菩薩の功徳を説く『観音経』によれば、観音菩薩はその身を三十三に変じて衆生を済度するといいます。その変化する姿を称して「応現身(おうげんしん)」あるいは「応化身(おうげしん)」と呼びます。当山に伝わる群像は、室町前〜中期頃の貴重な作例であります。
その他〕
「北条氏康印判状」「豊臣秀吉禁制」など古文書類「長谷寺扁額」「祈祷扁額」「舎利塔」「宋銭」
「経筒」また、江戸時代に作られた版木などが多数収蔵されております。